宮崎康子,miyazaki yasuko,トライアスロン,トライアスリート,スクール,アイアンマン,IRONMAN,スイミング,水泳,ランニング,マラソン,ロードレース,自転車,バイク
HOME
Profile
Races&Events
Media
Yasuko's Forum
Gallery
勢い! 2008.07.20

 全日本トライアスロン宮古島大会(4月20日)とアイアンマントライアスロン五島長崎(6月29日)という、日本での大きなロングの2大会が終わりました。先日、ある門下生M君から、『どうして外国人選手は強いのだと思う?』と聞かれました。いつもながら、私なりの分析をしてみました。

 外人選手、日本選手に限らず、プロ選手は『この大会なら勝てるだろう。』『ここなら、入賞賞金が取れるだろう。』という期待から勝てる!と思う大会、勝ちたい!と思う大会にやって来るのです。したがって日本の大会に限らず、アジアの大会では、プロ選手が上位を占め、外国人選手が上位に顔を並べるわけです。当然、メディアも、一般の方も、『やはり、外国人選手は強いな〜』という印象だけが残るわけです。では、何ゆえ、外国人選手、プロ選手は、そんなに速いのでしょうか。言い尽くされてきた言い訳ですが、@トライアスロンというスポーツの普及率と人口がちがう、Aバイク、スイム、ランとバランスよい練習環境が整備されている、B選任コーチ陣の層が厚い、等の理由は認めざるを得ないことですが、私は、その他の理由をさらに掘り下げてみました。

 今年の1−2月、私はニュージーランドのオークランドをベースに自主強化キャンプをおこないました。最も印象的だった環境のギャップは、まず老若男女、誰でも自転車(ロードもしくはMTB)を乗りまくって楽しんでいる点です。少々失礼なことを申しますと、『重さに自転車が耐えられるの?』という大きな方まで、生活の一部としてサイクリングを楽しんでいました。決して、ダイエット目的だけのサイクリング、ツーリングではなくそのスポーツが好きなのです。まさに「好きこそ物の上手なれ」、なのです。

 また、ローカルなアクアスロンやラフウォータースイムなどのミニ大会が頻繁に開かれています。これが、平日夕刻に開催され、これに大勢の参加者が出場するという現象にビックリ。会社帰りのサラリーマン、学生、主婦、地元愛好者など誰でも参加でき、どの大会でも200名は集まるそうです。当日エントリーができ、参加費も手頃だから参加しやすいのでしょう。トライアスロン王国とも言えるオーストラリア、ニュージーランドの両国では、毎週末何処かで何かしらのトライアスロンレースがあるようで、どの参加者も極めてレース慣れしているようでした。こうした、子供のころから日常生活に染みこんだレース慣れが、彼らの強さの要因でもあるでしょう。

 一番大きな違いは、やはり精神面です。彼らのレースに対する考え方はまだまだ見習うべき点が多々あります。彼らは、精神力、体力、技術、練習量とその質に強いコンフィデンスを持っています。これがあるから、すべてに勢いもあります。これは、我々日本人の眼には、時としてわがままだったり、自己中心に映ることもあります。

 また、全てにおいてとてもポジティブな考え方を持っています。何かネガティブ要因が迫ってきても、ポジティブに変えてしまう力があるのです。強い選手、勢いのある選手は、この力が大きな差として表れてくるように思います。レース中の周りの物、風、波、空気、声援など、全てを自分の見方につけてしまうのです。以前、ハワイ・コナの優勝者のコメントを聞いていたら、『ハワイの風と一体になれた。』、『沿道の花も自分を応援してくれた。』などというインタビューに応えていました。通常の精神力では、自分のことで一杯になっていたらこんなコメントは出てこないし、こういう感性も持ち合わせていないかもしれません。レース場の自分がいて、地球上の自然界があって、自分のことも他人、動物、生物のことも地球上の全てのものを平等に愛し、尊重できるのが、彼らが生まれてから体に染み付いた精神なのです。周辺を気にしながら生きてきた、我々日本人には苦手なことなのかも知れません。常に出る杭は打たれます。出る杭になることに恐怖を感じることさえあります。環境が許されるのであれば、自分を出る杭になることに恐怖を感じない精神力に自身を変え、さらに高いレベルのコンフィデンスを持ち合わせて行く必要があるのです。

 最近、「プラス思考」、「ポジティブシンキング」という和製英語をよく耳にしますね。本や雑誌にも多く使われていて、読んでスッと納得することは出来ます。でも、これを意識して、自分の性格に根付かせるにはそれなりの努力が必要です。

 私のある友人のHさんから聞いた話をご紹介しましょう。以前からお肉を食べなかったある友人が、ある日『お肉を食べるようになったら、闘争心が出てきた〜!』と言っていたそうです。半分冗談で聞き流していましたが、実はまんざら出まかせではないと思いました。「お肉が好き!」という人は元気のある人で、勢いのある人多いように思えてきたのです。私も、「太る!太る!」と気にし始めた頃からのことを考えると、明らかにお肉を食べる機会や量は減っているのです。以前は、『何食べたい?』と聞かれると、必ず「焼肉!」だったのに・・・。

 また、先日、お肉の効能について、栄養士さんに伺ったところ、私にとってポジティブなコメントでした。激しいトレーニングしているスポーツ選手が、お肉を食べたがること多いのは普通の事。選手が太るのを気にして、お肉を避けて食べなかったりするのは、トレーニング効果を半減し、実にもったいないことです、とコメントされていました。大切なことは、調理法、選別するお肉の品質に工夫を凝らして、摂取カロリーを抑えればいいとのことでした。

さて、前述の強いコンフィデンスを持っている世界ランキング上位の外国人選手が、果たして、お肉を好み、意識して食べているのでしょうか?これは今後聞いてみたいところであります。『よし!焼肉食べるぞ!』や『ステーキだ!』と握りこぶしを作ったり、そこまでいかないにしても力入ったりしたことありませんか?勢いつきませんか?お肉は、筋肉だけでなく精神面をも強くする効能があるのかもしれませんね。

私は、これまでのプロ選手生活の中で、メンタル的に落ち込んだ時や、ネガティブトレンドに嵌った時に、「勢い」を感じる人と会うようにしています。またそのような人とメールや電話をして、エネルギーをもらうこともしています。そして今後、それにプラスし、メンタルトレーニング効果を期待しお肉も食べていこうと思います。

「康子に会えば、元気になれる。」と思われる選手になりたい!また、若い選手にメンタルサプリメントとして「焼肉おごるよ!」と気楽に言える日もその内やってくるだろうと、ポジティブに考えるこの頃です。


Copyright (c) 2008 NEWBURY BUSINESS CONSULTING. All Rights Reserved.