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Ironman Malaysia Triathlon 2008
 2年振りのLANGKAWIだった。この暑さ、私には懐かしい。
  レース・スタートは、プロが午前7時30分、エイジが7時45分。うっすらと夜が明け始めると、我々プロ・ウェイブはスイム・スタートした。男女合わせて約20人のウェイブである。予想通りバトルは無かった。100mも進むと各選手の位置取りも落ち着き、ブイと前を泳ぐ選手を睨みながら、おいていかれないようついて行った。スイムは直線の一往復コース。例年通り、波も潮流もほとんど無く、まるでプールのような海だった。しかし、チクチクと虫が体中をつつく。試泳時も泳ぎ終わった後はあちこちが痒く、体中刺されたあとが残ってしまい、中には、化膿してかぶれる選手もいた。現地のローカル選手曰く、このチクチク虫で、皆気合が入るそうだ。結局スタートからフィニッシュまで、日本の志垣選手、韓国のパク選手と並泳したが、自分はトランジションで出遅れてしまった。

バイク・コースは、トランジションから10kmほど離れた区域を3周回して戻ってくる、なだらかなアップアンドヒル・コース。市街地から空港までの道のりは、片側2〜3車線と非常に走りやすいが、空港から左に折れ海沿いの折り返し地点へ向かうコースは、片側1車線とやや細い。沿道に立って、選手のバイクボトル欲しさにコース内に飛び出してくる応援の子供たちが、かえって怖かった。1周目、体は軽い感じがするが、ただ軽いだけで力も入らず心拍も上がらず、スピードも上がらない。思うように力が入らない自分に苛立ち、気持ちは少々焦ってきた。しかし、2周目3周目と周回を重ねる毎に徐々にパワーが入るようになっては来たが、自分としては従来の勢いが無いと感じた。後ろの選手との差は意外に詰められていなかったが、実際、前の選手との差は開いていった。バイクフィニッシュは4位だった。

 ランニングは4周回のフラット・コース。車道とはフェンスで仕切られているが、往復コースの割には道幅が狭く、他の選手を抜く時や、自身の給水にはややストレスを感じた。バイクでも感じたが、ランニングに入って痛感したことは、「今年のLANGKAWIは涼しい。」という事だ。そのせいか、例年に比べランニングで走れている選手が多かった。折り返し周回コースなので、毎回各選手との差を確認できるのだが、女子1位の選手とは既に7〜8kmは離れている。改めて「今年もバイクが遅かった。」と言うのが正直な反省だ。2位の選手も走れている。自分の前を行く3位の選手のペースは上がっていないが、ラン・スタート時15分の差は、追いつくかどうかギリギリであった。しかし、3周目はかなり差が詰まって来たので、「これは抜ける!」と確信。残り5kmで漸く3位に立っち、そのまま振り切ってゴールした。



今大会は自分にとっては久し振りのマレーシアだったが、地元の大会関係者や選手たちが皆、私を覚えていてくれ、目が合うと声をかけてくれた。この友情によって、マレーシアの神様が気持ちよいレースを自分にプレゼントしてくれたような気がする。心からLANGKAWIの友に感謝し、友の期待に応えたいという気持ちで3位に届くことが出来た。今年のレースは涼しかったとは言ってもLANGKAWIは実に暑い。その中を選手のために一生懸命動いてくれたボランティアの方々には、いつもながら本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。また、応援してくださった沿道の方々、熱い声援とパワーを送ってくれた日本の友、家族、両親からの声援にも感謝の気持ちでいっぱいだ。



ハワイ・アイアンマンへの出場権は2つだったが、1位の選手には既得権があったので、幸運にも私に廻ってきた。2007年はあと一歩のところで出場できなかったので、今年のハワイはその分も走りたい。しかし1位2位の選手との差はまだまだある。今回優勝したBelindaはハワイでも上位に入る選手だ。もっと世界レベルでレース作りができるよう、明日からまた練習が始まる。これが、神様が与えてくださった私の進むべき道なのだから。

【記録】
 日時 2008年2月23日(土) 7時30分START
 場所 マレーシア・ランカウィ島
 天候 晴れ
 距離 SWIM 3.8q/BIKE 180.2q/RUN 42.2q
 時間 10時間14分01秒(S 01:04:48/B 05:35:23/R 03:30:07)
 順位 女子3位

【女子上位順位】
 1位 Belinda Granger (AUS) 9:29:21
 2位 Yvonne Van Vlerken (NLD) 9:35:46
 3位 Yasuko Miyazaki (JPN) 10:14:01
 4位 Hillary Biscay (USA) 10:18:11
 5位 Ute Streiter (AUT) 10:50:30



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