2年振りのHawaii Ironmanと言うこともあり、日本を出発する時はいろいろな不安はあったが、KONA入りすると同時に精神的には落ち着き、次第に心身ともに充実した状態にった。
11日の競技は、合衆国国歌の演奏が終わると同時にスタートした。今年のスイムもバトルは無かった。今年は波が穏やかだったせいか、ブイが見易かった。1,000mを過ぎた頃からだろうか、集団から離され始めた。折り返し復路は、途中から横に着いたある選手と2人で泳ぐことになり、その選手を気にし過ぎたせいか、往路のブイが復路のコースブイと錯覚。ライフ・ガードのボランティアに進路変更の指示を受けてしまった。スイム・フィニッシュ300m手前、15分遅れでスタートのエイジ選手に追いつかれた。結局、スイム・タイムはいつもと変わらず。でも一緒にスイム・フィニッシュしたのはYvonne Van Vlerken(29歳、今大会、Pro-women2位、swim1:06:49, Bike 5:05:34, Run 3:04:26, overall 9:21:20)だった。バイクで「どこまでついていけるのだろう」と食いついたが、トランジッションでおいていかれた。
エイドステーションでエナジージェル、スポーツドリンクを補給し、今までのみんなの応援を「無駄にはしたくない!」という熱い思いが自分の足を動かし始めた。徐々に感覚が戻ってきた。もう順位やタイムなどははっきり言ってどうでも良かった。次に繋がるような走りをする、ハワイの雰囲気を楽しむ、声援に応える、このことに徹した。そんな思いが、次第にいつもの快調に走る足と、自分の心を変えてくれた。Natural Energy Labを折り返し残り10km強の地点で、さらにペースを上げることができた。
ゴール前のPalani Rdの下りでは、笑顔で快調に飛ばすことができた。「次に繋がるレースをしたよ。」とKONAの女神様に呟きつつゴールした。
ハワイは世界でも有数なパワースポットでもある。いかにその土地のあらゆる物・力を味方につけ、楽しめるかが、自分の力を最大に引き出せるかのポイントだと思う。2連覇を果たしたChrissie Wellington(31歳、swim0:56:20, run 5:08:15, bike 2:57:44, overall 9:06:23)にしても、長年の女王Natascha Badmann(41歳、今大会、swim 1:08:01, bike 5:25:07)にしてもKONAの女神様と一体になっている。そして、レースが出来る自分の生の空間を心から楽しんでいる。自分で100%納得したトレーニングと、そこから生まれる絶大なる自信があるからこそ優勝できるのだろう。Ironmanのレース後、時々Chrissie Wellingtonのブログや動画を聞くと、つくづくそのKONA Powerの違いを感じる。自分自身は、トレーニングから生まれる継続的自信と、ChrissieやNataschaの持っている野生的動物感覚と、高い理想を求める姿勢が必要なのであろう。2009年も他人の振りみて、前へ前へ進んでいきたい。